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No.6 広岛大学 大学院社会科学研究科 助教 中川 雅央 先生

経済学の视点から社会を见る

中川先生 写真
取材日:2015年12月10日
広岛大学
大学院社会科学研究科 助教
中川 雅央 先生

専门分野:マクロ経済学

経歴:
2000年 早稲田大学理工学部物理学科 卒业
2004年 立命馆大学経済学研究科 修了
2008年 大阪大学経済学研究科 単位修得退学
2008年 大阪大学社会経済研究所 研究员
2012年 京都大学経済研究所 研究员
2013年 东北大学経済学研究科 准教授
2015年03月01日 広岛大学大学院社会科学研究科 助教

 研究分野を変えてまでも自分の兴味を追求し,理系の视点と文系の视点を兼ね备えた中川雅央先生にお话を伺いました。

研究のきっかけと内容

 実は私は理工学部の出身です。もともと経済学にも兴味を持っていたのですが,経済学に进む决意をしたきっかけは金融危机です。银行が合併されてメガバンクができる中,いろいろなテレビや本を见て,コメンテーターやエコノミストが様々な意见を言っていることに疑问を感じました。イエスと言う人もノーと言う人もおり,结局何が正解なのかが分からない,これを解明してみたいと思い,経済を勉强することを决めました。理系から文系に変わる,というのは大変と思うかもしれませんが,ノーベル経済学赏を受赏したジョン?ナッシュも数学者であり,経済学は理系でも比较的入りやすい分野だと思います。

 现在私は経済を少子高齢化や出生率という视点から研究をしています。
人口成长と経済成长率には相関関係があります。日本では,江戸时代までの人口成长率は低かったのですが,明治时代以降,急激に人口成长率が伸び,それに伴って経済が発展していきました。いわゆる近代化,と呼ばれるものです。

 ある程度経済が発展すると,逆に経済成长率は高いが人口成长率は低い,という関係に転じていきます。特に日本では,人口成长率が急激に上がったために高齢化社会の进行も早かったのではないかと考えられます。

 このメカニズムは日本に限った话ではありません。先进国はもちろん,今は人口が増加している発展途上国でもいずれ,同じような道筋を辿ると考えられます。それがなぜ起こるのか,というのが私の一つの研究テーマです。

 考えられる要素の一つとして,义务教育が挙げられます。例えば,义务教育になったことで,それまで労働力として家计を支える一员となっていた子どもたちが働くことができなくなったとします。その结果家计の収入が减り,子ども一人当たりの教育费が上がってしまいます。そうなると,亲は子どもを产むことに対し,より高いリスクを抱えることになります。それを避けようとした结果,出生率及び人口成长率が低下する,というメカニズムです。

取材風景 写真

 他にも,所得の不平等度という视点からも研究をしています。この研究には①不平等度は持続的かどうか,②不平等度が経済にどういう影响を与えるかという2つのテーマがあります。高収入の亲に育てられた子どもは十分な教育投资を受けることができるため,将来的に高収入になるだろう,と考えられます。

 逆に,贫しい家庭で育った子どもは,十分な教育を受けられず,将来も贫しいままである可能性もあります。いわゆる贫困の悪循环です。そうした循环を亲の世代で断ち切るためにも政府は教育投资を増やし,奨学金制度を充実させる必要があると思います。

 また,所得の不平等度のポジティブな面とネガティブな面は経済発展の段阶によって异なります。経済発展初期の段阶では,富裕层が投资することで新たな工场や设备を作ることができるため,所得の不平等はポジティブにとらえることができます。しかし,日本のような経済発展后期の场合はある程度设备が整った状态のため,経済発展初期のような投资はそれほど必要ではなくなります。その代わりに,今度は今あるものをどのように活用するかを考える力,つまり知识が求められるようになります。その时に労働者の所得の不平等が広がれば広がるほど教育を受けられない子どもが増え,労働力としての质が下がってしまいます。

 経済学は,今社会で起こっている现象がそれぞれどのように影响しあっているのかを研究する学问です。そのため,経済学のみに焦点を当てた研究だけでなく,他の学问と融合した研究も多く行われています。例えば経済学と心理学や,経済学と医学など,さまざまなテーマと経済学を结びつけることで研究の幅を広げています。&苍产蝉辫;

研究の方法について

  歴史統計という本からデータを取って検証を行います。この種類の本にはイギリスであれば1500年代から,日本でも江戸時代頃からの人口データが載っています。このようなデータや社会で起こっている現象をもとに,仮説を立ててメカニズムを解明します。

 経済学は起きた现象やデータに基づいて研究を行うため,理系のように条件を整えて実験をすることはできません。理论を见つけるにはたくさんの事例が必要になりますし,条件も异なるものを取り扱うので难しいですが,それを解明するという点におもしろみを感じています。

【出典】我が国の教育(このような统计の本を使用します)

今后の展望について

 研究に関しては二つあります。一つは今后,高齢化社会が20年后,30年后,もしくは100年后の日本経済にどのような影响を与えるのかを分析することです。日本やヨーロッパでは人口问题を深刻にとらえています。现在の経済学ではシミュレーションを用いるのが主流になっているので,工学的な面からアプローチしたいです。

 もう一つは、人口成长率に影响を与える政策を遂行する上での问题点です。私は,経済学者が人口问题に介入することついては伦理的な视点で疑问を感じています。例えば,中国の一人っ子政策など,政府の方针によって生まれてくる子どもの数を制限するということは,生まれるはずだったこどもが生まれてこなかったということになります。政策を立案する上で政策によって生まれる予定ではなかったけど生まれることになる将来世代,もしくは生まれる予定であったけど生まれなくなった世代の声をどのように反映させるべきかというのは考えるべきテーマだと思います。

研究風景 写真

 また,今,子どもが减っている日本ではより知识が求められる社会になっていくので,研究と同じく教育にも力を入れていきたいです。今は大学院の授业を持っていますが,一方通行的な授业からスタイルを変えないといけないと思っています。受讲生が将来労働力としての质を高められるよう90分の授业をどれだけ浓く,有意义なものにできるかを考えていきたいです。

 

取材担当:勝池有紗(広岛大学 大学院教育学研究科 生涯活動教育学専攻 博士課程前期1年)


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