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No.19 広島大学学術院 助教(大学院生物圏科学研究科)岩本 洋子 先生

地球环境における空気中微粒子の役割を明らかにする

岩本 先生 写真
取材日:2017年10月13日
広島大学学術院 助教
(大学院生物圏科学研究科)
岩本 洋子 先生

専门分野:环境动态解析

経歴:
2006年03月 东京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修士课程修了
2009年03月 同大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士课程修了
2009年04月 名古屋大学, 研究員
2011年10月 名古屋大学, 博士研究員
2012年04月 金沢大学, 博士研究員
2014年04月 東京理科大学, 嘱託助教
2017年02月 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教

 今回の研究室訪問では、大学院生物圏科学研究科 環境化学?環境分析化学研究室の岩本 洋子(いわもと ようこ)助教にお話を伺いました。岩本先生は2017年2月に広島大学に着任されました。現在は、大気中に浮遊している肉眼で確認できないほど小さな微粒子(エアロゾル)を観測、採取して地球環境におけるエアロゾルの役割と影響を分析する研究をしています。岩本先生は今年の夏、カナダのバンクーバーを出発し、太平洋の島国ハワイのホノルルという航路で海洋調査を行いました。長期間に渡り海の上で調査を行い精力的に研究されています?今回のインタビューでは、現在の研究だけではなく、海洋調査を行うフィールドワークの魅力についても伺いました。

測定装置 写真

现在の研究内容について

 現在、大気中に浮遊している微粒子(エアロゾル)を観測、採取し地球環境におけるエアロゾルの役割と影響を分析する研究を行っています。エアロゾルという言葉を初めて耳にされる方も多いと思いますが、この物質は私たちの生活に密接に関わっています。近年、環境問題のニュースでよくPM2.5という言葉を耳にされた方も多いと思います。PM2.5とは空気中に存在している直径2.5 マイクロメートル以下のエアロゾルのことです。中国では、空気中に含まれるPM2.5の濃度が高くなることが原因で大気汚染が発生しています。また、ぜんそくや気管支炎等の呼吸器系への健康被害を引き起こしています。

 また、このエアロゾルは环境汚染や健康被害だけではなく、地球の平均温度が长期的に上昇する地球温暖化现象にも関係していると考えられています。エアロゾルには、太阳光を散乱または吸収する特性があり、宇宙からくる太阳光を反射して、地上に届く太阳光を减少させる効果があります。エアロゾル量の変动は温暖化にも関係をしており、もしエアロゾルの量が少なくなれば、地球温暖化现象はさらに悪化すると考えられます。これまでは二酸化炭素の増加により、地球温暖化现象が进むといわれてきましたが、実はエアロゾルは二酸化炭素による地球温暖化を缓和する物质なのです。

 エアロゾルは目には见えないほど小さな物质で、普段その存在を感じることはありません。しかし、私たちの生活に大きく関わっている物质です。现在の研究では、大学の屋上に微粒子採取装置を设置し、空気中に浮游しているエアロゾルを测定して浓度を测っています。広岛県内や、瀬戸内海海上での长期の観测を行い、空気中の微粒子浓度や种类の変动を分析しています。私はエアロゾルと気候変动の関わりに対して强い関心を持っているので、今后もこのテーマを轴に研究を进めていくつもりです。

大学选びの基準は自分の梦を実现できる场所

 幼いときに狈贬碍の子供向け科学番组を见た际、山奥や海中など、人が普段いけないような场所に行き、研究をしている科学者がかっこいいと感じました。将来、自分も罢痴で见た研究者のように、人类が立ち入ったことがないような场所で仕事をしたいと思いました。

 その梦を実现するために、大学の学部を选びました。学部选びをしている际に、地球惑星科学という学问であれば、海や山、砂漠など自然を相手にフィールドワークできることを知りました。受験は地球惑星科学が学べる大学を复数校受け、最终的に入学が决まったのは东京理科大学でした。

学部时代に研究者を志して大学院进学を决める

 大学3年生の时期に、周りの友人は就活か进学かという进路选択で悩み始めました。自分も周囲と同じように、どちらを选択するか悩んだ时期がありました。ただ大学院に进学しても、结局一年后は就职活动を行うことになるため、大学院で研究に集中できるのは一年间しかないと考えた时に、果たして贵重な时间やお金を使い选択する道として相応しいのだろうか、と悩みました。幸いにも、学部时代に选んだ卒业研究のテーマは面白く、このテーマなら生涯にわたって研究を続けられるだろうと思っていました。结局、进路は就职ではなく博士号を取る覚悟で大学院进学を决めました。しかし、学部时代の指导教官は学部生を対象に授业を行っており、大学院生に対しては指导をしておらず、新しく指导教官や大学を见つける必要がありました。

东京理科大学から东京大学への进学

 大学の指导教官からは、复数の大学院を绍介してもらいました。その中で、自分の研究テーマである地球科学を専攻できる研究科と、航海调査ができる海洋大気の研究できる2点を轴に大学院を选びました。その両方の要望を満たしたのが东京大学理学系研究科でした。

 东京大学といえば赤门や安田讲堂がある本郷キャンパスですが、进学希望先の研究科は中野キャンパスいう场所でした。入学前は、东京大学からの内部生が多く研究科の雰囲気にうまく溶け込めないのでは、と心配していたのですが、想像した以上に内部生は少なく、自分と同じく他大学から入学した人が多かったので、入学してすぐ研究科の人と打ち解けることができました。

新天地での新たな学生生活の始まり

 大学院时代は、大学院の教授、同じゼミ生や调査时に共に生活した船员と様々な人との交流がありました。学部时代よりも自分の视野を広げることができ、とても充実した学生生活を过ごせました。
大学院の研究では、入学前から希望していた海洋研究専用の船で调査を行いました。最初の研究は、海の中に存在している微粒子を一つずつ観测していくものでした。人が行くことができないところに行くという自分の昔からの梦が実现して、毎日楽しい研究生活でした。

 しかし、博士课程进学后はなかなか研究が进まず、研究论文が书けませんでした。「本当に自分は3年で卒业できるのか」と时々気持ちが落ち込むことがありました。その时に、指导教官が自分にかけてくれた言叶が今でも心に残っています。それは、「4年かけて卒业しようと考えている奴は、4年たっても卒业することはできない」という言叶でした。本来であれば3年で卒业するべきところを、最初から4年间で卒业しようと考えている时点で、いくら时间があっても卒业することはできないという意味です。その先生の言叶を受けてから、研究への姿势が変わりました。最终的には、顿3の冬に博士论文を完成させて提出することが出来ました。先生の言叶は今でも大切にしている言叶の一つです。

最长40日间に及ぶ海上でのフィールド调査

 私自身、船酔いをしない体质みたいで船に乗ることを苦に感じたことはありません。船の中はすべてがコンパクトで移动距离も少なく楽に生活することもできるので、皆さんが想像よりも船の中は快适です。毎回、调査船で海洋调査に行くことが楽しみで仕方ありません。航海の期间は船の大きさによって异なってきますが、小さい船なら数日间、大きい船なら数週间です。今までの海洋调査では、最长40日间の船内生活をしたこともあります。

 调査船に乗っての海洋调査は楽しいのですが、航海する前の调査準备は大変です。一度调査船が出航したら、忘れ物があったとしても、日本に戻ることはできません。そのため、调査期间と同等の时间をかけて準备を行います。準备工程では、サンプル採取に使うボトル一つ一つを手洗いで洗浄していく作业があり、意外と细かい作业が多く準备は体力を必要とします。

フィールドワーク 写真

研究者を目指す学生に一言

 一番、心がけてほしいことは自身の健康を気遣うことです。研究や将来のことを考えると不安な気持ちになるかもしれません。しかし、どんな时でも健康第一に考えることを心がけてください。体は资本で、自分自身が健康でいることはとても大切です。心や体が健康でなければ、研究にも集中できず良い结果を残すことはできません。休む时はしっかり休む、研究をする时は集中して取り组む。オンとオフのメリハリをつける研究生活を送ってほしいと思います。

 また、「やらないで后悔するより、やって后悔するほうがいい」とポジティブに考える心构えも大切だと思います。私はこれまで、気持ちの面では自分が好きなことを逃さないように意识しながら过ごしてきました。その意识を持ち続けながら、行动に移すことで自分の将来は自然と见えてくると思います。

取材後 写真
取材を终えて

 取材では、研究内容だけではなく新たな指导教官探しや论文执笔の葛藤とこれまで几度も困难に遭遇しながらも最终的には小さい时からの梦を実现する岩本先生の経験を伺いました。先生の取材を通じて、「最后まで諦めずに自分のやりたいことを信じて行动すれば梦は実现する」という教训を得ました。今年の4月から新社会人として働き始めます。新たな环境で不安なこともたくさんありますが、自分の梦を諦めず持ち続けながら何事も全力で挑戦していきたいです。

取材担当:服部 拓磨 (広島大学 国際協力研究科 博士課程前期2年) 


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