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No.5 山口大学 大学院医学系研究科 助教 原 裕貴 先生

“大きさ”の细胞生物学

原 先生 写真
取材日:2015年12月14日
山口大学
大学院医学系研究科 助教
原 裕貴 先生

専门分野:细胞生物学

2005年 筑波大学第二学群生物资源学类卒业
2007年 筑波大学大学院生命環境科学研究科修了 (修士(農学))
2010年 総合研究大学院大学生命科学研究科修了 (博士(理学))
2010年 4月~ 国立遺伝学研究所細胞建築研究室 博士研究員
2011年11月~ 
European Molecular Biology Laboratory (EMBL), Genome Biology Unit, Merten Group 博士研究員
2015年 6月~ 山口大学大学院医学系研究科 応用分子生命科学系学域 分子機能生物学分野 助教
(2016年4月 山口大学大学院创成科学研究科に改组)

 第5回は、山口大学大学院医学系研究科助教の原裕贵先生にお话を伺いました。

研究内容

 细胞の大きさと、细胞内部の细胞小器官の大きさとの関係性について、それを制御する仕组みとその机能性を解明する研究を行っています。多细胞生物の细胞の大きさは発生の段阶や细胞の种类によって大きく异なっています。たとえば、受精卵の体积は皮肤などの体细胞に比べて千倍以上大きいです。大きさという细胞の「外见」の特徴が异なると、细胞の「中身」もまた异なります。细胞の内部には、核やミトコンドリアなどのオルガネラと呼ばれる様々な细胞小器官が存在します。これらオルガネラの大きさと细胞の大きさの间には、「细胞が小さいとオルガネラも小さく、细胞が大きいとオルガネラも大きく」なるように、ある一定の比率?法则性が存在するということが、顕微镜が発明された100年以上昔から知られています。私はこの现象を「细胞内スケーリング」と名付け、それを制御する仕组みについて研究を行っています。现在は、オルガネラの中でも、遗伝情报である顿狈础の入れ物として働く「核」に着目し解析を进めています。

 また、この仕组みが细胞にとってどのようなメリットがあるのか、なぜ细胞の大きさに合わせてオルガネラの大きさを制御しなくてはならないのか、という疑问についても明らかにしたいと思っています。例えば、癌细胞がもつ核の大きさは细胞全体の大きさに対し异常に大きくなることが知られています。しかし、核の大きさ自体が细胞の癌化の原因であるのか、というような核の大きさと细胞の健康状态との因果関係はまだ分からない点が多く残っています。将来的に、私の研究成果がそこに切り込んでいければと考えています。

现在の研究について

 アフリカツメガエルの卵を実験材料として使っています。雌のカエルが产み落とした卵を回収し、远心分离机にかけることで、卵から细胞の中身である「细胞质」のみを取り出すことができます。远心分离によってオルガネラの构造も壊れてしまいますが、取り出した细胞质を试験管の中に入れて培养することで、オルガネラを元通りに再构筑することが出来ます。つまり、卵(细胞)の中で作られるオルガネラを、卵の外(试験管の中)で再现することができます。

実験材料 写真

 この试験管内で核を再构筑させる実験系を用いて、私は细胞内の空间が核の大きさの制御にどのような影响を与えるかを解析しています。また、人工的に细胞内の空间を作り出すために、マイクロ流体工学の技术を応用して実験を行っています。マイクロ流体工学は、もともと半导体を作るための技术で、シリコンの基盘の上にマイクロメータースケールの构造を自分で设计?制作することができます。この技术を使ってチャネルと呼ばれる微细な容器を作り、その中で取り出した细胞质を培养する、つまり细胞内の空间を模倣した小さな容器の中で核を再构筑させます。丑补谤补-3様々な形や大きさの容器を作製し、その中で细胞质を培养することで、容器の寸法、つまりは细胞の形や大きさが変化した状态を自在に作り出すことが出来ます。

 このような様々な条件下で培养して再构筑した核を顕微镜で観察し、核の大きさを测定します。その上でコンピュータでのシミュレーションも併用しながら、実験结果に见合う制御モデルを考察することで、核の大きさを制御する仕组みを研究しています。

研究風景 写真

これまでの研究や分野変更について

  修士論文では、マウスの精子の形態形成時に現れるタンパク質についての研究を行っていました。人間の精子の形は頭の部分が丸い形をしていますが、マウスの場合は三日月型で扁平な形をしています。このように、生物種によって精子の形には違いがあるのですが、卵子は一様に丸い形をしています。しかし、どの生物も問題なく受精することができる、という所に興味を持ち、このマウスに独特な精子の形には生物学的な意味があるのか、さらにどのようにしてその精子の形が形成されるのか、ということを解明すべく研究を行いました。減数分裂といって精子の形態形成時に染色体の数を半分にする時期があり、その時期に細胞は精子特有の形へと変化していきます。そこで、この段階の精子の細胞にのみ現れるタンパク質に焦点を当てた解析を行いました。

 研究を进めていくうちに、精子细胞全体の形の変化に合わせて、细胞内の核の形も変化していることに気がつき、细胞と核の関係性とそれを调节する仕组みはどうなっているのか、ということに新たな兴味が出てきました。この问题に立ち向かうために、博士课程への进学を期に、研究分野を分子生物学から思い切って変える决断をしました。博士课程では、当时はまだ珍しかったコンピュータを用いた画像解析やシミュレーションを生物学に応用していた国立遗伝学研究所?细胞建筑研究室に进み、细胞の大きさと细胞内の构造体の大きさとの関係性の解明に取り组みました。

 これまでの研究から、画像解析やマイクロ流体工学の技术のように他分野の研究手法を取り入れたり、研究に用いる実験材料を変更したりと、様々なものを幅広く取り入れることが研究を进める上での重要なファクターであると感じています。现在でも、他分野から何か自分の研究に活かせそうなことはないか、常にアンテナを张るように心がけています。

今后の展望

 これまで私が行ってきた研究成果や他の研究者の成果から、细胞の中で核の大きさを制御する仕组みの解明は进展してきました。しかし、「なぜ细胞は核の大きさを制御しなければならないのか」という核の大きさについての意义は、まだはっきりとしたことが分かっていません。そこで、细胞のもつ様々な机能を丁寧に调べることで、细胞が心地よく生きる?适切に働くためには、核が大きい方が有利なのか、それとも小さい方が有利なのかという疑问に答えを出したいと思っています。

 また、これまではアフリカツメガエルを研究対象としてきましたが、将来的には异なる生物种を用いた解析にもチャレンジしてみたいです。私がこれまでに解明した核を制御する仕组みは、アフリカツメガエルのみに当てはまる仕组みなのか、それとも他の生物种でも採用されている仕组みなのか、というような进化的観点から、核の大きさを制御する意义にも迫りたいと思っています。

 最后に、私の研究方法や研究成果が何かに応用できることがあればどんどん使って欲しいと思っています。异分野の研究者の考え方を闻くことで自分の研究を広げるアイディアを得ることも多々ありますので、兴味を持って下さった方は是非とも気軽にコンタクトを取っていただければと思います。

研究室自席 写真

 

取材担当:江口裕梨(広島大学 大学院文学研究科 人文学専攻 博士課程前期1年)

 原先生が平成29年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞されました

 平成29年4月11日(火)、文部科学省より平成29年度文部科学大臣表彰の受赏者が発表され、山口大学创成科学研究科(理学系)原裕贵助教が若手科学者赏を受赏しました。同赏は、萌芽的な研究、独创的视点に立った研究等、高度な研究开発能力を示す顕着な研究业绩をあげた40歳未満の若手研究者に授与されます。
 


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