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No.13 広島大学 特別研究員 何 美娜 さん

正冈子规の知られざる一面、
汉诗人としての子规をみつめる

何さん 写真
取材日:2016年9月5日
広島大学 特別研究員
何 美娜(か?みな)さん

専门分野:日本文学

経歴:
2013年4月~2016年3月 広岛大学大学院文学研究科比较日本文化学博士课程后期
2016年4月~ 広岛大学特别研究员(グローバルキャリアデザインセンター)

研究テーマ ― 漢詩人としての正岡子規

 私の研究テーマは正冈子规(以下子规)の汉诗に関する研究です。子规の汉诗と中国古典関连、例えば陶渊明、李白、杜甫といった中国を代表する诗人の作品との関わりや『水滸伝』、『荘子』との関连に注目してきました。一方で、子规の汉诗自身が持つ韵律(诗の音韵上の形式)上の特徴や咏物诗や题画诗(ともに汉诗のジャンルの一种)に用いた技法、女性観、和习(日本人が汉文や汉诗を作る际の独特な癖)的な特色などについても研究しています。私はこうした研究の成果を博士论文『正冈子规汉诗研究』としてまとめました。具体的には、まず汉诗を现代语訳し、この诗は何を言っているのか、书かれた背景は何か、子规の言いたい気持ちは何かについて理解し、総合的に分析を进めていきました。このような方法で博士论文では、子规全集第八巻『汉诗稿』に収録されている约630首うちの约200首を分析しました。

 子规は近代俳句の产みの亲として国内外で知られていますが、同时に优れた汉诗人でもあります。子规は12歳から汉诗の创作を始め、生涯を通じて2000首以上の作品を作り上げました。日本の短歌、俳句の歴史に清新な息吹をもたらした子规の文学的素地が养われたのは、彼の深い汉文や汉诗の素养があったからだと考えられます。ですが、今までの研究では子规のそのような侧面に光が当てられることは少なく、一般には俳句の改革者というイメージが定着し、强调されて広がっています。しかし、汉诗人としての子规はそれとは异なる侧面を持っています。例えば、子规は俳句や短歌に自身の苦悩を书き表すことはほとんどありませんでしたが、汉诗には彼の病に対する苦しみや悩み、女性に対するコンプレックス、理想の女性像など子规の内面に深く関わる感情が印象强く表されています。このようなことから、私は汉诗人としての子规という侧面に光を当てることによって子规の知られざる一面を明らかにし、子规の本当の姿に迫ることができるのではないかと考え、子规の汉诗に目を向けるようになりました。

研究を始めるきっかけ ― 日本文学との出会い

 私は元々中国の大学で日本语を学んでいました。卒業論文では、村上春樹の作品をテーマに研究していましたが、なかなか思うようにいかず修士課程で異なったテーマにするかどうか悩んでいました。その時に、大学の日本古典に関する講義で俳句に触れたことや、その講義の先生が子規は漢詩も作っていると仰っていたことを思い出しました。そこで子規の漢詩を手に取り、読んでみるととても面白いと感じました。その時に子規の漢詩を研究することに決めました。その後学部から大学院へと進学し、修士3年生(注1)の始め頃に自身の将来について真剣に考えるようになりました。いろいろ考えた末、日本语を学んでいたので日本に行きたいという純粋な気持ちと、子規漢詩を研究する環境が中国より整っている状況から日本へ留学して研究を続ける決心をしました。

注1:日本と违って中国の大学では修士课程は3年间である。

インターンシップに関して ― 子規記念博物館での経験

 私がインターンシップに行ったのは、爱媛県松山市にある松山市立子规记念博物馆で、期间は博士课程3年の9月と10月の2か月间です。まずインターンシップを考えた时、自分の研究に何か役に立つのかと考えて応募先を探しました。加えて、大学では1人でずっと研究を进めていましたので、自分の行っている研究は社会にちゃんと応用できるのか、そして社会でどのような人材が求められているのかが気になり、インターンシップに参加しようとも考えていました。実际にインターンシップに行く前に博物馆の职员の方と実际の业务内容について话し合いをし、しっかり事前準备をして行きましたが、最初は上手くできるかどうかとても不安でした。しかし、実际に始まってみると职员の方々の暖かいフォローのおかげもあり、すぐ职场に惯れることが出来ました。

インターンシップ 写真

写真:インターンシップ先の松山市立子规记念博物馆の职员の皆さんと

 私が実际に任された主な业务は、子规と同时代の文人达の汉诗を解釈するというものです。具体的には、くずし字の识别、训読等を行いました。くずし字に触れるのは初めてでしたのでとても难しく、中には1文字解読するのに3,4日かかるものもありました。しかし、事前の话し合いで业务内容を事前に知らされしっかり準备をして行ったので、大体の汉诗についてはスムーズに解釈して业务を进めていくことが出来たと思います。最终的には3万5000字の文字を解読し、100首以上の作品を解釈するという成果を上げることが出来ました。その他の业务は、全国俳句大会や俳句教室、各种讲演会等の博物馆のイベントの受付やチラシ配り、会场设営などです。どの业务も来馆者の方々と直接触れ合うことがたくさんあったので、様々な状况に対応する能力とコミュニケーション能力を高めることが出来ました。また、プライベートの时间を利用して、道后秋祭り、子规堂、とべ动物园等のイベントや施设に职场でできた友人たちと一绪に行き、子规の故郷の文化に亲しむことも出来ました。

私はこのインターンシップを通じて、くずし字を解読するという技能やコミュニケーション能力といった多方面にわたる能力の向上を実感しました。併せて、日本のオフィススタイルや日本文化の体験、博物馆の职员の方々や来馆者の方々と交流をすることが出来たのもとても有意义でした。インターンシップへ行く前よりもチームワークや人と人のつながりの大切さが実感できるようになったと思います。自身の研究においては、子规と同时代の文人达と子规の汉文での交流に関する新たな视点を持てたことが大きな収穫でした。今后は先行研究から学びつつ、このような视点を研究に生かしていきたいと思っています。また、研究に関してだけでなく自身の将来についての视野も広がりました。今まではアカデミックのポストに就くことを强く考えてきましたが、今回インターンシップで行ったような学芸员等、他の道もあるということに気が付けて良かったです。このように、私はインターンシップを通してとてもたくさん得るものがありました。ですので、これからインターンシップに参加することを考えている学生の方は、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。気を付ける点としては、応募先を探す际は念入りに调べて事前の话し合い等で自分の行う予定の业务についてよく準备することが大切だと思います。

今後の展望 ― 子規の漢詩を広く紹介する

 今后の私の计画としては、まず学会に参加したり博士论文の一部を本にして出版したりして、今までの成果をどんどん発表していきたいと考えています。子规汉诗研究においては、まだ様々な课题が多数残されています。中でも重大な课题として、子规汉诗を研究する基础资料としての解釈书がまだないことが挙げられます。现在存在する资料は汉文と训読のみという状况なので、私はそこに诗语の解釈と现代语を加えた子规汉诗の解釈书を出版したいと思っています。具体的には、子规の残した『汉诗稿』にある630首の作品に対して、従来の辞书だけに頼る表面的な诗语解釈と现代语訳ではなく、汉诗作品に潜んでいる背景や思想などをできる限り発掘し、より立体的な解釈を施していきたいと考えています。こうした取り组みを通して、これまで光が当たってこなかった子规の汉诗作品を国内外の人々にも分かりやすく绍介し、多くの人々が子规の汉诗に触れたり学べたりできるようにしていきたいです。

研究室自席 写真

 

取材担当:谷 綺音(広島大学 大学院総合科学研究科 総合科学専攻(地理学)博士課程前期2年) 


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