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No.10 広島大学 特別研究員 澤井 悦郎 さん

未知の生物、マンボウを解明する

澤井さん 写真
取材日:2016年5月16日
広島大学 特別研究員
澤井 悦郎 さん

専门分野:鱼类分类学?生态学

経歴:
2007年     近畿大学農学部水産学科卒業
2009年     広島大学大学院生物圏科学研究科 博士課程前期修了 修士(農学)
2015年9月    広島大学大学院生物圏科学研究科 博士課程後期修了 博士(農学)
2015年10月  広島大学特別研究員(グローバルキャリアデザインセンター)

多角的な视点からマンボウを见つめる

 マンボウはフグの仲间で、大きいものだと全长3尘以上、体重は2迟にもなります。世界中の热帯や温帯の海域に生息しており、日本近海でも渔获されています。マンボウは特徴的な风貌からキャラクターとしては有名ですが、まだ明らかにされていない部分が多くあります。例えば、マンボウの种类、年齢の判定方法、何を主食とするのかといった、他の种类の鱼では明らかになっていることが分かっていません。

マンボウの干物 写真

 顿狈础解析から系统树を作成し、集団が分かれたものに対しては、実际に标本を调べ、形态的な面からも种の违いを明らかにしていく中で、日本で1种と思われていたマンボウが実は2种が混同されていたことが分かりました。実际、「マンボウ」は头部が平らであり、体の后半のひれ(舵鰭)は波打ったような形をしているのに対し、「ウシマンボウ」(2010年に名付けられた)は隆起した头部と、丸みを帯びた舵鰭が特徴です。

 どの地域にどんなマンボウが出现するかを调べる中で、东京大学の研究施设がある岩手県に6月から11月までの约半年间滞在し、海水温とマンボウの种类の関係についてデータをとり、分析を行いました。その结果、「マンボウ」と「ウシマンボウ」では出现する水温が异なることが明らかになりました。2尘以上の大型个体に限れば、「マンボウ」は6~7月、「ウシマンボウ」は8月に最も多く出现する倾向にあったため、「ウシマンボウ」の方がより高水温の水域を好んでいる可能性が示唆されました。

 また、最近はマンボウと人の関係についても兴味を持ち、文献を用いた歴史调査も行っています。マンボウの研究者は幕医の栗本丹洲が「翻车考(まんぼうこう)」(1825年)を书いた江戸时代にまで遡ります。この本は当时のマンボウに関する知见をまとめた汉文で、18ページの册子の中にマンボウの絵や当时の利用法、西洋の文献に関する情报が书かれています。それによるとマンボウは食用だけでなく、肝油や刀のさやとしても活用されていたことから、当时からマンボウが渔获されていたことが読みとれます。想像で书かれているところもありますが、当时の知见としてとても兴味深いですね。

标本の扱いが难しい研究だからこそ、兴味深い

 実际のフィールド调査では、通常の渔业に同行する形で渔师と一绪に朝2时に港を出航し、仕掛けておいた定置网の引き上げに加わります。1迟レベルのマンボウを获るのはとても大変ですし、日によって获れる日や获れない日もあります。データを取った后のマンボウは皆で食べますが、あまりに大きすぎて廃弃することも多々ありました。身が腐りやすいため、なかなか都市部では出回りにくいマンボウですが、刺身はイカ刺しを薄くしたような味で、ゆでると鶏のささみのような食感になります。

 现在日本でマンボウについて研究している人はほとんどいません。マンボウは非常に巨体であるため、数を集めてデータを取るだけでもコストがかかります。未知の部分が多いにも関わらずフィールド调査が难しいため、研究者が少ないのが现状です。また、标本の保存も难しく、マンボウ类の2.5尘以上の大型标本がある施设は全国に4馆のみです。それだけ扱いが难しく大変な研究ですが、マンボウの生态を解明する上でとても意义のあることだと思います。

マンボウをより多くの人に知ってもらうために

 将来、マンボウについての魅力を発信できる场、できればマンボウ博物馆を作りたいです。これまでは日本近海のマンボウの研究を行ってきましたが、南半球のマンボウの种类や生态についての研究は少なく、开拓していければと思っています。本コンソーシアム事业の长期インターンシップで今年5月から2か月间、ニュージーランド国立テパパ博物馆に行く机会を得たので、そこで、マンボウ标本の形态的な调査を行う予定です。また、现地でのマンボウとの人との関わり、文化についてもぜひ调査してみたいです。
&苍产蝉辫;幼少期からマンボウに魅せられて今まで研究してきましたが、マンボウへの兴味は尽きません。もっとマンボウの基础的な部分について明らかにしたい、マンボウ属以外のマンボウ※についてもフィールドを広げて基础研究を行っていきたいと思っています。「ウシマンボウ」がいつから存在しているのか歴史的な侧面についても调査したいですね。

 また、今までに研究について何度か取材を受けましたが、メディアを通してしまうとどうしても自分の言いたいことが上手く伝わらないことがあります。そのため、自分の言叶で一般の人と直接向き合って伝えたいと思っています。现在魅力を伝える活动の一环として、グッズの制作?贩売もしています。水族馆での讲演会や物贩といった、コラボもぜひやってみたいですね。

※マンボウ科にはマンボウ属、ヤリマンボウ属、クサビフグ属がある。

取材後 写真

 

取材担当:勝池有紗(広島大学 大学院教育学研究科 生涯活動教育学専攻 博士課程前期2年) 


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