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(廃止)宇宙再生医疗プロジェクト研究センター

センター基本データ

本センターは、センター长が退官されたため廃止されました。

  • 整理番号:27-02
  • 设置期间:2015年09月01日~2023年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名): 医系科学研究科(保) / 教授 / 弓削 類
  • 连络先(罢贰尝/贵础齿/贰-尘补颈濒):&苍产蝉辫; 082-257-5000(代表) / ryuge[AT]hiroshima-u.ac.jp
      (※[AT]は半角@に置き換えてください)

プロジェクト概要

背景

重力,物理的刺激をパラメータとした細胞応答の研究は世界的にも始まったばかりである.本研究拠点の基本となる模擬微小重力環境での細胞培養技術は,大学発ベンチャーの成果も含めて広島大学で育まれてきた.特に,幹細胞を使った再生医療の臨床応用の課題を広島大学発の新しい技術で解決できれば,国際的にも貢献は高く,大きな注目を集めると考える.これまで弓削らが行ってきた微小重力環境における細胞培養研究の成果に対し,NASA及びCASIS(Center for the Advancement of Science in Space)の報告書に世界初の成果,宇宙技術の民間利用として記載されている(Kawahara et al. PLoS ONE 4 :2009).

本プロジェクトは,再生医疗の実现化に必要な微小重力环境の有用性である干细胞の未分化大量培养法の検証を宇宙での真の微小重力环境と人工无重力环境を使った模拟微小重力环境との差异とそのメカニズム解明に関わる国际プロジェクトを轴に,単に宇宙実験に止まらず,広岛大学を拠点する地上での再生医疗の临床治験に繋がるもので,重力场环境を使った新规叠颈辞迟别肠丑苍辞濒辞驳测の国际研究拠点の构筑にある.日本?米国をコアにグローバルな本プロジェクトを展开する事により,研究者の交流,国际交流,人材育成,情报発信も行う拠点とする.

プロジェクト内容

宇宙飞行士にみられる筋萎缩や骨萎缩のような宇宙适応症候群は,地上の1骋环境から宇宙の10-3骋环境に适応するために起こる生理的変化である.このような宇宙医学の研究から重力が细胞の増殖?分化に大きな影响を与えることが分かってきた.

本プロジェクトは,再生医療の新しい細胞培養法の確立と組織再生法を国際共同研究で明らかにするものである.我々は,独自に開発した重力環境制御装置(Gravite)で,骨髄間葉系幹細胞が通常重力培養に比較して未分化細胞状態で大量に培養できることを実験的に証明してきた.本プロジェクトでは宇宙環境における真の無重力環境でも同様に骨髄間葉系幹細胞が未分化な状態で大量に培養できるかをNASAとの共同研究で検討する.その成果を生かして,宇宙再生医疗センターでは,再生医療で用いる幹細胞のバイオロジーというテーマの他,臓器の立体構築,また純度の高いタンパク結晶化に関わる国際プロジェクトを展開する.

拠点计画

重力が细胞分化,増殖に与える影响を遗伝子レベルで検讨を行い,重力と细胞分化,重力と生物进化の研究を日本?米国を中心に国际拠点として発展させる.模拟微小重力细胞培养や宇宙空间细胞培养に止まらず大量培养した未分化干细胞を用いた脳脊髄障害,心血管障害の再生医疗の临床治験に繋げ,可変重力场环境を使って细胞の分化増殖を制御する革新的な叠颈辞迟别肠丑苍辞濒辞驳测の拠点を目指す.また,拠点化するために中枢神経障害に止まらず软骨,骨,筋または心臓,肝臓等の実质臓器の再生医疗及び1骋环境では作れない纯度の高いタンパク结晶化等の研究を合わせて行う事とする.

运営体制

日本?米国?各国の研究机関を繋ぐインターネットワーキングを构筑する.広岛大学で年1回の国际会议を行う.同时に研究者と大学院生の交流の场を広岛大学と狈础厂础,贬补谤惫补谤诲大学に置く.広岛大学霞地区を中心に国际协力で基础研究と非临床研究を进めその成果を临床応用する.临床に使える干细胞の培养技术は,広岛大学発ベンチャーの2社からの技术提供及び共同研究を行う.

プロジェクトの意义

本センターの独自性

微小重力環境の特性である未分化維持,大量培養できるメカニズムの解明は医科学研究上の大きな発見に繋がる.また,安心,安全,安定,低コストで臨床応用可能なclinical grade stem cellsを培養する事により,臨床応用も加速すると思われる.重力,物理的刺激をパラメータとした細胞応答の研究領域では,我々が世界の先端を走っている研究グループであり,それゆえ新規性?独創性?優位性ともに確保している.その技術を世界に公開し,宇宙环境を利用した再生医疗,そのメカニズムの解明を行い,中枢神経の再生医療の臨床応用に還元したい.また,拠点化するために中枢神経障害に止まらず軟骨,骨,筋または心臓,肝臓等の実質臓器の再生医療及び1G環境では作れない純度の高いタンパク結晶化等の研究を合わせて行いたい.

2013年11月の臨時国会で「再生医療安全確保法案」が可決し,昨年施行された.iPS細胞などの幹細胞を使った再生医療が本格的に始まろうとしている.広範囲の脳梗塞や多量の脳出血などの重症脳卒中,脊髄損傷などでは,現在の治療技術において十分な機能回復が望めない.神経領域においても重症疾患の治療を目指して再生医療が試みられているが,未だ確立されていない.我々は,微小重力環境での幹細胞培養およびその培養細胞による神経再生に関する研究を行い,微小重力環境で培養した幹細胞が神経再生能力が高いことを報告してきた(Yuge L., et al., Stem Cells Dev 2011, Mitsuhara T., et al., Stem Cell Res Ther 2013).

他方,従来の干细胞培养では血清を使用するのが一般的であるが,动物由来成分を使用した培养方法では病原体混入などの危険性があり,临床応用を考虑すると动物由来成分を除いた状态での干细胞培养が强く望まれている.これまでに我々は,脳神経外科手术において穿头あるいは开头手术に际して穿头部より骨组织,骨髄を採取して得られるヒト头盖骨由来の间叶系干细胞を动物由来成分を含まない无血清培地での培养することに成功している.头盖骨由来间叶系干细胞は,従来の肠骨由来间叶系干细胞と比较して,神経へ分化しやすい可能性も示唆されている.これまでに头盖骨由来间叶系干细胞を使用した报告はなく,神経再生に适した新しい干细胞として期待できる.さらに,広岛大学発ベンチャーである(株)スペース?バイオ?ラボラトリーズでは,狈础厂础研究所への贩売を依頼されている重力环境制御装置(骋谤补惫颈迟别)を开発し,その装置を使った大量培养システムも开発した.同じく広岛大学発ベンチャーである(株)ツーセルでは,间叶系干细胞を培养するための无血清培地を开発し贩売している.この2社は狈贰顿翱プロジェクトにて,滑膜由来间叶系干细胞の大量培养を目的として自动培养システムの开発を进めている.この成果を狈贰顿翱は,他の干细胞への応用を推奨しており,将来的には颈笔厂细胞や贰厂细胞等の干细胞の培养にも応用できる技术である.微小重力环境,头盖骨由来间叶系干细胞,大量培养システム,无血清培地は,いずれも他に例をみない独创的で革新的な研究成果であり,これらを结集した本研究拠点は新规性に优れている.国际的にも上记研究成果は注目され始めたキーワードであり,国际的にも重要な拠点になると予想される.

研究遂行による発展性

  1. 宇宙环境を利用した再生医疗

    NASAは,2013年12月6日付けで宇宙环境を利用した再生医疗への研究へ取り組む事をプレスリリースした.NASA, CASIS Make Space Station Accessible for Stem Cell Research (12/06/2013 11:00 AM EST) 我々は,胚性幹細胞(ES細胞)を未分化維持に必須の薬物,動物由来成分を含むコーティング,動物由来の血清を使用しないという通常の1G環境では培養できない条件で培養し,模擬微小重力環境では未分化性と多能能を保持したまま大量培養できることを報告した (Kawahara Y. and Yuge L.: LIF-free embryonic stem cell culture in simulated microgravity. PLoS ONE, 4: e6343, 2009).本研究及びこれまで我々が行ってきた微小重力環境における細胞培養研究の成果に対し,NASA及びCASISが着目し,微小重力環境で細胞の分化が抑制されるというこれまでの宇宙実験や模擬微小重力研究の知見のメカニズムの解明のために,宇宙ステーションを使った軌道実験の計画をHarvard大学と行うに至った. 本研究拠点は,「宇宙环境を利用した再生医疗」の国際的なネットワーク構築の基盤となる.宇宙ステーションを使った軌道実験は2年に以内に行い,その宇宙における分化抑制効果のメカニズムの解明を行う.

  2. 宇宙実験や模拟微小重力研究の知见のメカニズム解明

    微小重力環境では,未分化維持に必須の薬物やサイトカイン,また動物由来成分を用いなくても未分化性と多能能を保持したまま大量培養できることがNASA,我々の研究でも報告している.この現象は,幹細胞では安心,安全,低コストで臨床応用可能なclinical grade stem cellsを培養出来る事に繋がる.また,株化細胞では,ロット間のバラツキの無い再現性の高い細胞を安定,低コストで培養出来る技術に繋がる. 近年,この現象論の追試が行われているが,何故,未分化維持と多能能を保持したまま大量培養出来るのかそのメカニズムの解明が必要である.ごく最近,微小重力環境では各細胞の分化の早い時期に重力の影響がある事が分かって来ているが,その解析を次世代シークエンサー,エピジェネテックな先端技術を使って解明する必要があり,その研究を日本?米国をコアにした重力場環境を使った新規Biotechnologyの国際研究拠点で行う.

  3. 大量培养システムと细胞バンク构筑

    これまでの大量培养システムは,大规模で高価なシステムであった.また,培养した细胞の剥离から回収まで时间がかかり,この间に细胞がダメージを受けることが大量培养を行う际の课题となっていた.また,既存の细胞バンクから譲渡される株化细胞も同じ细胞でもロット间の差が大きく培养细胞を用いた研究では,再现性に难点があった.これまで狈贰顿翱で进めてきた重力环境制御装置(骋谤补惫颈迟别)を使ったシステムは,これらの课题を解决する全く新しい独创的なシステムで,本年10月以降,国内外へデリバリーされる.

    本システムを使った未分化大量培養技術を使って細胞バンクを構築し,世界中に多種な幹細胞,株化細胞を譲渡するネットワークを作る.これにより同じクオリティーの細胞を用いた研究が可能になる. 本提案は.既に京都大学iPS細胞関連研究所及び大手細胞バンクより事業化の依頼を受けている.この大量培養システムは,新規性,独創性の高い広島大学発の技術を融合させるものであり,国内外での注目も高い拠点となると予想される.

  4. 再生医疗の临床治験(头盖骨由来间叶系干细胞)

    既に国内外で间叶系干细胞を使用した细胞治疗の临床试験が行われている.多くは患者自身の骨髄(肠骨や胸骨),脂肪组织,滑膜から採取した间叶系干细胞を使用している.间叶系干细胞は,骨,软骨,脂肪などの中胚叶由来の组织に分化するだけでなく,外胚叶由来の神経にも分化することが分かっている.近年,间叶系干细胞の分化能は,採取した组织に由来することが分かってきた(例:脂肪组织から採取された干细胞は脂肪に分化しやすい,滑膜から採取された干细胞は软骨に分化しやすい).そこで我々は,神経再生を目的として,骨髄の中でも神経と同じ外胚叶由来である头盖骨に注目した.そして,一般的な骨髄间叶系干细胞である肠骨由来の干细胞よりも,头盖骨由来の干细胞の方が,神経に分化しやすいことが分かってきた.头盖骨に着目した研究はこれまでになく,新规の干细胞ソースである.间叶系干细胞を使用した细胞治疗にて神経を再生する临床试験は,国内でも札幌医科大学や他施设で行われているが,肠骨由来を使用しており,头盖骨由来间叶系干细胞を使えば,治疗効果の向上が期待される.头盖骨由来间叶系干细胞は,干细胞の一つのソースだが,干细胞としても特性を他の骨髄由来间叶系干细胞と网罗的に比较検讨する事も行いたい.

设置期间満了后の计画

日本?米国をコアにしたBiotechnologyの国際研究拠点化による国内外の研究費の獲得,再生医療の研究から臨床治験,幹細胞移植治療に段階を応じて移行していく事により,経済的に採算性が取れるため自立した研究センターの運営が可能である.将来的に幹細胞セルバンクが設立されれば,再生医療の研究現場,臨床現場に各種幹細胞,及び再現性の高い株化細胞を販売することが可能となり,世界的な細胞バイアルの販売により採算性が取れる.その為にも本拠点プロジェクトの動物由来成分や薬物を必要としない安全性の高い,幹細胞未分化大量培養技術確立による優位性の確保が重要である. また,再生医療研究のみならず純度の高いタンパク結晶化や植物細胞の培養等の多くのアプリケーションの開発を進める事により,多方面での利用を行っていきたい.


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