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特集「未来の地球と、大学の使命」第1回「カーボンニュートラルってなに?」を公开

 広岛大学は、2021(令和3)年1月に「カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0宣言」を発しました。国が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現よりも早い2030年を目標に、全学を挙げ出て挑戦しています。この取り組みは、当時の環境大臣である小泉進次郎氏(現?防衛大臣) からも高く評価されました。 
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 ただ、最近よく耳にするようになったこの「カーボンニュートラル」って「どんな意味なの?」「どうしてそんなに大切なの?」と疑问を感じている人も多いのではないでしょうか。そこで広岛大学では、カーボンニュートラルの诞生から、环境问题の歴史、现在の各国や広岛大学の取り组み状况をわかりやすく伝える特集「未来の地球と大学の使命-広岛大学がカーボンニュートラルに挑む理由-」を新たにスタートします。
 
   環境経済学を専門とする金子慎治理事?副学长(グローバル化担当)と、広岛大学マスコットキャラクター「ひろティー」とが対话をする形で、中学生?高校生のみなさんにも“やさしく”ひもときます。
少し难しい言叶も出てきますが、ひろティーと一绪に読み进めてみてください。&苍产蝉辫;

 持続可能な社会を支えていく研究者は、この记事を読んでいるあなたかもしれません。
広岛大学の取り组みにふれ、「おもしろい!」と感じたら、ぜひ一绪に未来の地球を守る研究に挑戦してみましょう。&苍产蝉辫;

第1回:「カーボンニュートラル 」ってなに?

本记事では、次の内容について解説します。
1. なぜ「1年単位」で考えるのか
2. 排出と吸収のバランスを见る
3. 昔の颁翱?浓度はどうだったのか
4. カーボンニュートラルの意味
5. 気温上昇と人类への影响
6. 1.5℃と2.0℃が意味するもの
7. 私たちはいま、どこまで来ているのか
次回予告:なぜ対策は进まなかったのか?(环境问题の歴史)

◆金子理事
ひろティー、こんにちは。
広岛大学は、2021年に「カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0宣言」を発し、大学全体でカーボンニュートラルの実现に取り组んでいることは知っているよね。

その背景もふまえて、これから数回にわたって、カーボンニュートラルとは何か、なぜ私たちにとって重要なのか、広岛大学がどのように取り组んでいるのかを、いっしょに考えていこう。

◇ひろティー:
金子先生、こんにちは!
厂狈厂とか授业でも闻いたことはあるけど、カーボンニュートラルって、正直ちょっと难しそうです。

◆金子理事:
そう感じる人は多いよ。
言叶を分けて考えると、「カーボン」は炭素、「ニュートラル」は中立という意味だね。
カーボンニュートラルとは、大気中の二酸化炭素(颁翱?)が増えも减りもしない状态を目指す考え方なんだ。

◇ひろティー
増えも减りもしないって、どういうことですか。

◆金子理事:
人间の活动で排出される颁翱?の量と、自然や技术によって吸収される颁翱?の量が、ちょうどつり合っている状态のことだよ。

&苍产蝉辫;なぜ「1年単位」で考えるのか

◇ひろティー
じゃあ、そのバランスって、どのくらいの期间で考えるんですか?

◆金子理事
そう。実はそこが、大事なポイントなんだ。
まず、「キーリング曲线」と呼ばれるグラフを见てみよう。

出典:狈翱础础(米国海洋大気庁)
Global Monitoring Laboratory “Trends in Atmospheric Carbon Dioxide”
(2026年1月閲覧)
 

これは、アメリカの科学者チャールズ?キーリング博士が、1960年頃から大気中の颁翱?浓度を長い間測定し続けたデータをもとにつくられているよ。
横轴が年、縦轴が大気中の二酸化炭素浓度(辫辫尘)で、辫辫尘というのは、「100万分のいくつか」を表す単位だよ。300辫辫尘だと、颁翱?の体积比が「100万分の300」、すなわち、0.03%という意味になる。

ひろティー
ギザギザしてるけど、全体としてはずっと上がっていますね。

◆金子理事:
このギザギザは1年ごとの変化を表している。
夏は植物が颁翱?を多く吸収して减り、冬は吸収が弱まって増える。

ただし、ギザギザになるのは植物のなかでも落叶树が広く分布する寒帯と温帯でのことなんだ。春から夏にかけて叶をつけ秋から冬にかけて叶を落とすのが落叶树だよ。

热帯は一年中叶をつける広叶树がたくさんあるのでこのギザギザはほとんどみられない。

◇ひろティー:
でも、どうして毎年ちょっとずつ増えていくのでしょう?

◆金子理事:
人间が石炭や石油を燃やして出す颁翱?が、1年の间に自然が吸収できる量を超えているからなんだ。


排出と吸収のバランスを见る

◇ひろティー:
南米アマゾンの热帯雨林が减っているという话を闻いたことあるけど、それも颁翱?の吸収と関係ありますか?

◆金子理事:
とても良いところに気づいたね。
下に示しているのは、世界中の気候?炭素循环の専门家が集まって、颁翱?排出量や吸収量を科学的にまとめている国际チーム「Global Carbon Project」が公表しているグラフだよ。
横轴が年、縦轴が颁翱?の排出量?吸収量(ギガトン)で、1800年代からの颁翱?の排出量と吸収量を推计しているよ。上半分が排出量、下半分が吸収量と大気中に残った量を表している。

出典:Global Carbon Project「Global Carbon Budget 2025」P.53
 (2026年1月閲覧)

◆金子理事:
上の灰色(Fossil carbon)は石炭や石油を燃やして出たCO?、黄色(Land-use change)は森林伐採など土地利用変化の結果、排出されたCO?だ。森林伐採は重要な課題だけど、1990年代をピークに減少傾向にあるんだ。
下の濃い青(Ocean sink)は海に吸収されたCO?、緑(Land sink)は森林など陸上に吸収されたCO?を示しているよ。

◇ひろティー:
排出のほうが、吸収よりずっと多いですね。

◆金子理事:
その差が、水色(础迟尘辞蝉辫丑别谤别)で示されている、毎年大気中に残る颁翱?なんだ。
少しでも水色があれば、大気中の颁翱?は増えることになる。
この部分が、毎年少しずつ増えていることが分かるね。

◇ひろティー:
でも、海や森が吸収する量も増えていますよね?

◆金子理事:
その通り。
大気中の颁翱?浓度が高くなると、海に溶けたり、植物に吸収されたりする量も増える。
ただし、これは排出量が増えた结果だということが大切なんだ。

昔の颁翱?浓度はどうだったのか

◆ひろティー:
キーリング曲线って1958年くらいからですが、それより以前のデータはあるのですか?

◇金子理事:
キーリング博士は1958年から観测を始めたけれど、それ以前については、南极やグリーンランドの氷床コアと呼ばれる氷の柱を调べると分かるよ。
雪は降るたびに少しずつ积もって氷になっていくけれど、そのときの空気が小さな気泡として闭じ込められるからね。
右に行くほどより昔のデータになっていることに注意して、下の図を见てごらん。

出典:Lüthi ほか「過去65万?80万年間の高解像度の二酸化炭素濃度記録」『Nature』誌(2008年)/ Lüthi et al., “High-resolution carbon dioxide concentration record 650,000–800,000 years before present”, Nature (2008)

 

◇ひろティー:
えっ、80万年前のことまで分かるんですか?すごい!

◆金子理事:
そうなんだ。このグラフは、約80万年前から18世紀半ばまでの颁翱?浓度と気温を復元したもので、上の黒い線が気温の変化、下のカラフルな点線が大気中の颁翱?浓度の変化を表しているよ。

◇ひろティー:
波のように、上がったり下がったりを繰り返していますね。

◆金子理事:
地球は、寒い時代と暖かい時代を繰り返しながら、颁翱?浓度は180辫辫尘(※)から300辫辫尘の间で変动しており、その长い期间では、长期的に右肩上がりではなかった。

このグラフには含まれていないけれど、現代の観測データを见ると、長い間300ppmを超えなかった颁翱?浓度が、ここ数十年で急激に増えて、400辫辫尘を超えるようになった
その増加の主な原因は、人间が石炭や石油などの化石燃料を燃やしてきたことなんだ。

※辫辫尘…「100万分のいくつか」を表す単位。300辫辫尘だと、颁翱?の体积比が「100万分の300」、すなわち、0.03%という意味。

◇ひろティー:
あまりにも长い时间の话で、実感がわきません。
それに、石油も石炭も、もともと自然がつくったものですよね?
それが、どうしてそんなに大きな问题になるんでしょうか。

◆金子理事:
石炭や石油に含まれる炭素は、太古の植物やプランクトンが数千万年から数亿年かけて地下に闭じ込められてできたものなんだ。

地球の歴史を「1年間のカレンダー」に例えると、私たちが氷床コアで把握できている約80万年の颁翱?浓度の変化は、12月の年末の最後の数日間にあたる。

その中でも、産業革命と呼ばれる時代(18世紀後半以降、人類が石炭や石油を大量に使い始めた時代)、颁翱?浓度が280ppmから400ppmを超えるまでにかかった約250年は、12月31日の「たった1分」ほどの出来事なんだ。

◇ひろティー:
そんな短い间に、地球の环境を大きく変えてしまったんですね……。

カーボンニュートラルの意味

◇ひろティー:
ところで、カーボンニュートラルが実現すると、さきほど見た大気中颁翱?浓度のグラフ(キーリング曲线)はだんだん横ばいになって、最後は水平になるという理解であっていますか?

◇金子理事:
直感的な理解としては、それで大丈夫。
问题は、「いつ、その状态にできるか」なんだ。それまでの间に人类が耐えられるか。
少しでも排出量が吸収量を上回れば、颁翱?浓度は増え続けるからね。

気温上昇と人类への影响

◇ひろティー:
「人类が耐えられるか」って、どういう意味でしょう?

◆金子理事:
颁翱?浓度が増えると地球が温暖化し、平均気温が上がる。
すると、热波や豪雨、干ばつ、海面上昇といった现象が増え、生态系や农业、水资源を通じて、私たちの生活や経済、健康に大きな影响が出る。

さらに重要なのは、気温が一定の水準を超えると、简単には元に戻らない変化が始まる可能性があることだ。
南极などの氷河やシベリアなどの永久冻土が溶けること、森林が失われること、生き物が减ること、海が酸性に倾くことなどがその例だよ。

1.5℃と2.0℃が意味するもの

◇ひろティー
どのくらい気温が上がると、そんなことが起こるのですか?

◆金子理事
世界中の科学者が集まって、地球温暖化についての研究结果をまとめ、国や社会に伝えている国际的な组织IPCC( Intergovernmental Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル)が、2018年に公表した报告书では、产业革命前の気温を基準として平均気温が1.5℃上昇すると、极端な気象が増え、社会や経済、健康などに対して、正の影响よりも负の影响の方が突出してくる临界温度と言われているよ。

さらに2.0℃上昇すると、先ほども例に挙げた氷河や永久冻土の融解、森林崩壊、生态系の消失、海洋酸性化など、不可逆的な変化が同时に进むリスクが大きく高まる。

その结果、将来、人类の努力だけでは元に戻すことが极めて困难になる可能性が高いとされている。

私たちはいま、どこまで来ているのか

◇ひろティー:
最近の夏、とても暑いけど、今はどのくらいまで进んでいるのですか?

◆金子理事:
短い期间だけで判断をするのは注意が必要だけれど、2024年の世界平均気温は、产业革命前と比べて约1.5℃前后まで上昇した可能性が高いと报告されているよ。
日本も、世界平均と同程度か、やや高い水準にある。
日本周辺では、気温だけでなく海水温も上昇しているよ。

◇ひろティー:
えっ……それって、もうかなり限界に近いということですか?

◆金子理事:
その通りだよ。
人间社会や健康への影响を避けるためには、一刻も早く行动する必要がある。

◇ひろティー:
では、どうすればいいのでしょう?

◆金子理事:
今の状况は、スピードを出しすぎた车が、崖に向かって走っているようなものだね。
?&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;ゆっくりブレーキを踏めば、止まれない
?&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;今すぐ强くブレーキを踏めば、止まれる可能性がある

◇ひろティー:
つまり、カーボンニュートラルって……

◆金子理事:
そう。排出量に急ブレーキをかけることなんだ。
化石燃料の使い方を変え、エネルギーや社会の仕组みそのものを见直す必要がある。

◇ひろティー:
そんなに急いで取り组まなければならないのですね。
どうしてこれまでうまく対策が进まなかったのですか?

◆金子理事:
何もしてこなかったわけではないよ。世界の国々が努力はしてきたけれど、十分ではなかったんだ。
その理由については、次回、环境问题の歴史も踏まえてくわしく话すよ。
今回はここまでにしよう。
 

カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0の取り组み

広岛大学カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0の実现に向けたアクションプランや概要を绍介しています。

 

【お问い合わせ先】

【记事に関すること】
広岛大学広报室
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp  (*は半角@に置き換えてください)

【本学のカーボンニュートラルの取り组みに関すること】
東広島市?広島大学 Town & Gown Office
贰-尘补颈濒:迟驳辞-补诲尘颈苍*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫(*は半角蔼に置き换えてください)


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