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第29回石田丈典讲师

第29回石田丈典讲师「『直感』について考える」

第29回目のバイオのつぶやきは、「直感」をテーマにつぶやいてみたいと思います。

 先日、「精神と物质」*1という本を読んでいて、とても気になる一节がありました。ノーベル生理学?医学赏を受赏された利根川进先生が、ノーベル赏の授赏式でストックホルムに滞在していた时のエピソードです。

“ストックホルムに滞在中に、惯例として毎年行われるスウェーデン国営放送のノーベル赏受赏者による座谈会に出席した折にも、「科学的直感の存在を信じるか」というテーマがでましたが、出席者全員がイエスと答えました。” (「精神と物質」*1より引用)

 その座谈会では、その直感、またはセンスの良さというものがどこから来るかという疑问に対しては、明快な答えは得られなかったそうです。しかし、いい発见をするには、直感が大切だとこの本を読んで感じました。

 直感は、研究や创造性の必要な仕事にはとても重要で、新しい発想が生まれることと深く関係しているような気がします。また、「直感」と関连して「ひらめき」という言叶もありますが、お风吕やトイレでいいアイデアをひらめいたいう话を闻いたことがあります。あらためて、直感やひらめきについて考えると、自分は何も知らないことに気づきました。そもそも「直感」や「ひらめき」とはどういうものなのでしょうか?また、両者には违いがあるのでしょうか?

 そこで、「直感」や「ひらめき」について、脳科学の分野ではどのように捉えられているか调べてみました。脳科学者の池谷裕二先生の着书「脳には妙なクセがある」*2によると、脳科学の研究では「ひらめき」と「直感」の両者は区别して取り扱われているそうです。両者は、「ふと思いつく」という点では共通していますが、思いついた后にその理由を説明できる(言语化できる)场合は、「ひらめき」で、一方、本人にも理由がわからないが漠然と确信できる场合が、「直感」になるそうです。

池谷先生の上记の着书に、「直感」に関して以下のように书かれています。

“「直感」は、本人にも理由がわからない確信を示します。思い至ったまではよいのですが、「ただなんとなく」としか言いようがない曖昧な感覚です。根拠は明確ではありませんが、その答えの正しさが漠然と確信できるのが直感です。そして重要なことは、直感は意外と正しいという点です。単なる「ヤマ勘」や「でたらめ」とは決定的に異なります。” (「脳には妙なクセがある」*2より引用)

 これまでの経験で「ただなんとなく」と思ったことは、谁にでもあるのではないでしょうか。「ただなんとなく」という感覚が直感であるというのは、自分にとって新しい発见であり惊きでした。これまでは、直感はノーベル赏をとるような伟大な科学者にしか起こらないというような漠然としたイメージを持っていたからです。しかし、「ただなんとなく」という感覚が直感であるならば、谁にでも身近に起こっているということになります。自分の経験で考えてみると、あるアイデア(または実験)が、なんとなくうまくいきそうだなと思った経験は何度もあり、さらに意外とうまくいくことが多かったように思います。そう考えると、直感は、今までの経験や知识などの総和みたいなものなのかもしれません。头の中で、これまでの経験や知识を総动员して情报処理した结果、うまく言语化できなかったものが「ただなんとなく」という感覚として浮かび上がってきたものが直感であり、そのため意外と正しいのかもしれません。

 ノーベル赏级のすごい発见につながるような直感を得ることは难しいかもしれません。しかし、ふと思いついた考えがなんとなく正しいかなと感じた时、それは直感である可能性が高いのではないでしょうか。明确な理由がないから、そのふと思いついた考えやアイデアを実行しないのはもったいない気がします。もし、明确な根拠や理由がなかった场合でも、“これは直感かも”と考えて试してみるのはいかがでしょうか?

 

参考文献

*1精神と物质—分子生物学はどこまで生命の谜を解けるか、利根川进?立花隆、文艺春秋

*2脳には妙なクセがある、池谷裕二、扶桑社

 


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