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【研究成果】既存薬「プロブコール」が放射線防護剤となる可能性 ~放射線被ばくマウスの生存率向上を確認~

本研究成果のポイント

  • 脂质异常症(高コレステロール)の治疗薬として使用されていたプロブコール※1に、致死量の放射线による障害を軽减する可能性があることを発见しました。
  • 放射线を浴びる前にプロブコールを投与したマウスでは、生存率が向上しました。
  • プロブコールは放射线によって生じる活性酸素※2を抑え、骨髄の细胞を守ることで効果を発挥すると考えられます。
  • 将来的には、放射线事故や放射线を扱う现场で働く人の防护などへの応用が期待されます。

概要

 広岛大学原爆放射线医科学研究所の东幸仁教授らの研究グループは、抗酸化作用※3をもつ既存薬プロブコールが、致死量の放射线を浴びたマウスの生存率を高めることを明らかにしました。
 放射线を浴びると体内で大量の活性酸素が発生し、顿狈础や骨髄の细胞が伤つきます。本研究では、放射线を浴びる前にプロブコールを投与したマウスでは、この伤害が抑えられ、血液をつくる骨髄の细胞が多く保たれました。また、脾臓で血液をつくる働きも活発になり、生存率が改善しました。プロブコールを投与しなかったグループ(対照群)では30日以内にすべてのマウスが死亡した一方、放射线を浴びる前にプロブコールを投与したグループでは约40%のマウスが30日后も生存しました。
 一方、放射线を浴びた后に投与した场合には、生存率の改善は确认できませんでした。このことから、プロブコールは放射线障害を治疗する薬というよりも、放射线を浴びる前に体を守る「放射线防护剤※4」として役立つ可能性が示されました。
 この研究成果は、国際学術誌「Radiation Research」に6月22日に掲載されました。

背景

 放射线は、がん治疗をはじめとする医疗分野や工业?研究分野において広く利用されています。
 一方で、原子力灾害や放射线事故、あるいは放射性物质を用いたテロなどによる高线量被ばくは、重篤な健康障害を引き起こし、ときに致死的な転帰をもたらします。急性高线量被ばくでは、被ばく线量に応じて骨髄死、消化管死、中枢神経死などが生じることが知られており、特に全身被ばくによる骨髄障害は、急性放射线症候群の主要な病态の一つです。
 全身照射による高线量被ばくでは、造血干细胞や骨髄微小环境が着しく障害され、重度の汎血球减少、感染症、出血倾向を経て死に至ります。
 现在、重度放射线障害に対する治疗法は、输血や感染症対策などの支持疗法が中心であり、造血干细胞移植も适応やドナー确保の问题から広范な适用は困难です。
 そのため、安全かつ有効な放射线防护剤の开発が求められています。

研究成果の内容

 マウスに致死量の8骋测(グレイ)の放射线照射し、プロブコール投与群として、照射前4日间连日経口投与する前投与群と、照射4时间后から4日间投与する后投与群を设定しました。プロブコール前投与群では、対照群と比较して有意な生存率の改善が认められました。一方、后投与群では、対照群との差は认めませんでした。全群で8骋测の放射线照射により、重度の汎血球减少を呈しました。照射群间で、末梢血球数に有意差は认めませんでした。対照群では、骨髄细胞の着しい减少と低形成が観察されたのに対し、プロブコール前投与群では、骨髄细胞が有意に保持されていました。
 一方、通常、血液を作っている骨髄以外の造血作用(髄外造血)は、放射线照射によって低下しましたが、プロブコール前投与群では対照群と比较して有意に高値でした。酸化ストレスのマーカーである8-翱贬诲骋は、対照群において照射后に约1.8倍の有意な増加を认めましたが、プロブコール前投与群において有意な増加を认めませんでした。

 

今后の展开

 プロブコールは、长年にわたり临床使用され安全性が确立されている薬剤であることから、将来的には、放射线业务従事者や放射线事故时の防护戦略に応用できる可能性があります。
 现在、残念ながら、安全かつ有効な放射线防护剤がない中、既存薬の再活用による新たな放射线防护剤开発の可能性を示すものであり、今后のさらなる前临床研究および临床応用に向けた検讨が期待されます。

论文情报

掲載誌:Radiation Research
論文タイトル:Antioxidant probucol reduces mortality in mice exposed to lethal doses of ionizing radiation.
著者:Tanigawa S, Higashi Y, et al.
顿翱滨:10.1667/搁础顿贰-26-00251.1

本研究は、J-PEAKS(Grant Number JPJS00420230011)の助成を受けたものです。

用语解説

&苍产蝉辫;※1プロブコール
 脂质异常症(高コレステロール)の治疗薬として使われてきた薬です。体内で细胞を伤つける「活性酸素」の働きを抑える强い抗酸化作用があることでも知られています。

※2活性酸素
 体内で発生する反応性の高い酸素です。通常は细菌などを攻撃する働きがありますが、増えすぎると顿狈础や细胞を伤つけます。放射线を浴びると活性酸素が大量に発生し、体の组织にダメージを与えます。

※3抗酸化作用
 活性酸素を减らしたり、その働きを弱めたりして、细胞や顿狈础が伤つくのを防ぐ働きです。

※4放射线防护剤
 放射线を浴びる前に使用し、放射线による体へのダメージを軽减する薬のこと。放射线を浴びた后に障害を治疗する薬とは异なります。

【お问い合わせ先】

【研究に関するお问い合わせ先】
原爆放射线医科学研究所 再生医疗研究开発分野 教授 东 幸仁
罢别濒:082-257-5831 贵础齿:082-257-5831
贰-尘补颈濒:测丑颈驳补蝉丑颈*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫

&苍产蝉辫;(*は半角@に置き换えてください)


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