多様なキャリアから得た适応性
取材日:2018年7月3日
西冈务氏は、これまで日东电気工业株式会社やハリマ化成株式会社にて、半导体开発、事业経営、公司経営など多くの経験をされてきました。多くの人は会社勤めだけで约半世纪を过ごすともいわれています。その会社生活をいかに充実したものにするのか、壁にぶつかったときの突破方法などについて、绍介して顶きました。

ハリマ化成株式会社 西岡 務 氏
略歴
【学歴】
1985年 3月 広島大学工学部 第Ⅲ類(応用化学) 卒業
【职歴】
1985年 4月 日東電気工業(現:日東電工)株式会社入社
2012年 4月 同社 執行役員ICT事業部門長
2015年 6月 同社 取締役上席執行役員CTO全社技術部門長
2016年 12月 ハリマ化成株式会社入社
2017年 4月 同社 常務執行役員、研究開発センター長
2017年 6月 同社 常務取締役、研究開発部門統括、
研究開発カンパニー長
(现在に至る)
キャリアの転机
なぜ日东电工やハリマ化成を选ばれたのですか
大学の先生から公司を绍介されたため、日东电工への就职について特别な考えはありませんでした。その后、一身上の都合で日东电工を退社し、再就职先を探している际、ハリマ化成の社长に出会い、その心意気に惚れて「ぜひ入社させてください」と思うようになりました。これは后から闻いた话で、日东电工とハリマ化成は取引があったようなのですが、その时は全く知らなかったです。
多様なキャリアで得られたことは何ですか
日东电工では半导体开発20年、事业経営8年、公司経営6年と様々な部署を経験しました。その异动はすべて上司の命令で自分の意志ではないですけど、大変良い経験になりました。
例えば、私は昔、研究所の事业を「銭にならんものばっかり作りやがって、さっさと売れるもの作らんかい」と、正直な话马鹿にしていました。そう思っていた矢先に上司から研究事业への异动を命じられ、「なんで」と落胆しました。
実际に研究所内部に入ってから分かったことですが、外から见ていた景色とは结果的に全く违っており、非常に高いポテンシャルと技术を持っていることがわかりました。まさに宝の山でした。その宝の山をどうにかして実のあるものにしてやらなければと考えると、また违うやり方が必要になると思います。
外の知见、経験を持つ人が入るとそれまでのアイディア、技术が新しい化学反応を引き起こして、より良い方法が见つけられることをこれまでさんざん経験してきました。
ハリマ化成に移った当时は、何をしている会社か正直知りませんでしたが、いろんな方の话を见て、闻いて、自分の中で少し検証してみたら、面白い技术や考え方を持っているのに、ビジネスの世界であまり上手に使えていない会社だなと思いました。ただ言われたものだけを作っていることで止まってしまっていて、なんともったいないのだろうと。こんな面白いものを持っているのであれば、见方を変えればさらに面白いものを生み出すことができ、その结果公司としてもっと成长できるのではないかと考えました。
これも日东电工の上司がガラリと环境を変えて、新しいチャレンジをさせてくれた経験が大いに生かされていると思います。异动を通知されたときは「なんでわしやねん」と腹が立つと思いますが、长いスパンで物事を见たときには、多様な経験をしていることは非常に有益な财产になると思います。
壁にブチあたった时の対処方法は
技术者として一番根っこに持っておいてほしいことは「これをやっているのは俺が一番最初だ」と思うことだと思います。と言いながら壁にぶち当たりますよね。その时に今まで结果的に良かったことは、自分ないし自分のチームだけで考えずに周りを巻き込むことです。自分たちだけで考えたら、いつまでも同じロジックの中で堂々巡りをしてしまいます。しかし、全く分野の违う他の人から意见をもらうと违う角度から物事を见ることができ、新しいアイディアを见つけることができます。意见を出してくれた人が正しいとかではなく、それを受けることで自分の思考や见解を変えることができます。その时に新たな気づきが生まれ、化学反応が起こるのです。つまり、いろんな分野の人の意见を闻き、バージョンアップさせて、より良いものを作るというのが壁を乗り越える方法の一つではないでしょうか。
それでだめなら、最终的には开き直ることですかね。これは悩んだときによくやっていました。答えが出ないと思った时には一回忘れてみると、ふとした时に良いアイディアが浮かんだものです。若いときには枕元にメモ帐を置き、寝入りばなに浮かんだアイディアをその都度书いたものです。ただ、寝ぼけているので、あとから见直しても8割がたは何を书いているか分らなかったですけどね。
求められる人物像
求められる姿势?资质について教えてください
ハリマ化成や日东电工関係なく、研究者である以上、第一にいろんなことに兴味を持ってほしいなと思います。第二に「なぜ」と疑问を持ってほしいです。闻く人の谁もがそうだよねと思うところまで原理を突き詰めてほしいです。
ハリマ化成は、相手の気持ちを忖度する人より変な人が好きです。普通の人は世の中の常识の范囲内のものを作ると思います。ただ、変な人はどこか一点ぶち破って、世の中にないものを作る可能性が十分あると思います。我々がお客さんに求められるのは当たり前のものではなく、何か差别化できる特性が必要です。何に使えるかわからないけど、何か使えたらすごくないですかっていうものの方こそ、お客さんも市场も求めています。

讲演时の様子
ハリマ化成の博士取得者のニーズや求める人物像など
データは见ていませんが、割と増えています。少なくとも採用の活动の中で博士だから不利ということはないですし、私个人的には歓迎したいですね。修士课程2年、博士课程3年の计5年间研究を行ってきた地头の体力?忍耐力は公司で働く上でも大変重要だと思います。修士课程などでは期间が短いためどうしても中途半端になりがちです。また、博士は専门性に偏ってしまって视野が狭くなるため良くないといわれることがあると思いますが、そんなことはないと思います。
学生时代に役立ったことは
友人と游び、さまざまなアルバイトをしたことです。その中で色々な人?物に出会い多様性を知ることができました。社会の中では一人では何もできないので、多くの人を巻き込んで充実した人生を过ごしてほしいです。
取材者感想
インタビューを通して、「求める人物像」は个性的な人间の方が良いとのことを言われました。确かに量产型の人间であるのならばいくらでも代わりがいると思います。何か他人に负けない技术なり、能力があれば人材として差别化できるのではないかと思いました。
取材担当:広岛大学グローバルキャリアデザインセンター特别研究员 山谷浩史