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ドーパミン分子を用いた膜内架桥型?高安定リポソームの开発

本研究成果のポイント

〇ドーパミンの自己重合を活用した膜内架橋により、従来のリポソームより飛躍的に安定性の高いリポソーム (Dopasome) を開発しました。Dopasomeは薬剤送達の新たなプラットフォームとしての応用が期待できます。

概  要

 リポソームは、細胞膜の構成成分であるリン脂質が水中で自己組織化して形成されるリン脂質二分子膜小胞です。リポソームは生体適合性に優れるだけでなく、その内部に親水性の薬剤を膜内に疎水性薬剤を導入することができることから、薬剤送達担体としての応用が期待され、その一部は実用化されています。一方で、さらなる応用に向けて構造の脆弱性が課題となっています。リポソームは主として疎水相互作用、ファンデルワールス力、および水素結合といった比較的弱い分子間相互作用で成立しているため、血中に豊富な界面活性成分 (胆汁酸様成分、リポ蛋白、界面活性様作用を示すタンパク質など) により膜が崩壊し、標的到達前に崩壊する懸念があります。

 そこで、リポソームの構造を強化する手法としてドーパミン分子に着目しました。ドーパミンは神経伝達物質の一種ですが、弱塩基性条件下で容易に酸化?自己重合する特徴を持っています。これを利用し、ドーパミン部位を有する脂質を新規合成してリポソームを形成した後、膜内のドーパミンを酸化重合により脂質間で架橋させることで、堅牢なリポソーム (Dopasome) を構築しました。Dopasomeは界面活性剤存在下でも非常に高い構造安定性を示し、抗がん剤の内包?細胞内送達を通じて抗腫瘍効果を確認できました。Dopasomeは新しいドラッグキャリアのプラットフォームとしての応用が期待されます。


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